猛毒のプチトマト!?農作物に影響を与える悪者の有毒植物 ワルナスビ

植物

ワルナスビとは?

ワルナスビ(学名:Solanum carolinense)は、ナス科ナス属に分類される多年草で、質の悪い生態から悪茄子(ワルナスビ)と名付けられました。別名「ノハラナスビ」「オニナスビ」とも呼ばれています。
英名も「Devil’s tomato(悪魔のトマト)」と呼ばれていることから、世界各地で被害を与えていることがわかります。
茎の高さは40~70cmほどにまで成長し、茎や葉には鋭いトゲが多くうっかり素手で触れると肌にも容易に突き刺さるため注意が必要です。
5月から10月にかけて、ナスやジャガイモに非常によく似た白または淡い紫色の星形の花を咲かせます。
花が終わると、直径1.5cmほどの球形の果実を実らせ、この果実は熟すとプチトマトのような美味しそうな黄色の実になりますが、毒が含まれているため絶対に口にしてはいけません。
特に小さい子供は食べられると思って食べてしまう可能性があるため注意が必要です。

外来種としての日本への影響

ワルナスビは、「要注意外来生物」に指定されています。その背景には鋭いトゲや毒をもっていることから、家畜に被害を与え、さらには農作物の品質を下げることが挙げられます。
驚異的な繁殖力を持っており、地下に生えた根が耕運機などで切断されると、それぞれの根から芽が出て数を増やすことができます。このように種子だけでなく根からも殖えることができます。
ナス科のため食用のナスやトマト、ジャガイモなどに連作障害(同じ野菜を作り続けると起こる病気や害虫被害、成長不良など)が起こります。
また、除草剤が効きにくいという特徴に加えて、ナス科の作物の害虫である「ニジュウヤホシテントウ」の大繁殖の原因にもなるなど、ワルナスビと呼ばれるにふさわしい特徴を持っています。

ニジュウヤホシテントウ

分布・生息環境

ワルナスビは非常に高い環境適応能力を持っており、家畜のフンなどに混じるなどして分布を広げ世界中で繁殖しています。
原産地は北アメリカ(アメリカ合衆国南東部)で現在は、北アメリカ全域、ヨーロッパ、アジア、オセアニアなど、世界中の温帯域に移入分布しています。
日本では、1906年に千葉県で初めて確認されて以来、現在では北海道から沖縄まで日本全国に分布を広げています。
日当たりの良い場所を好み、農地、牧草地、空き地、道端、河川敷など、あらゆる場所に自生します。

ワルナスビの毒

ワルナスビの全草(葉、茎、根、果実)には、ソラニン(Solanine)というステロイドアルカロイドが含まれています。
これはジャガイモの芽や緑色の皮に含まれる毒と同じ成分であり、濃度が高いことから家畜が食べてしまうと中毒により死に至ってしまう場合もあります。
ソラニンは神経に作用する毒性を持っているため、もしも食べてしまうと頻脈、頭痛、嘔吐、下痢、食欲減退などの症状を引き起こします。
成人の中毒量は200~400mg程度と考えられており、対りゅおい摂取した場合は、昏睡状態に陥り死に至ることもあります。
ワルナスビを誤って食べないようにすることが一番の予防方法になるため、注意しましょう。

まとめ

ワルナスビは、北アメリカ原産のナス科の多年草で、その名の通り農業や生態系に大きな被害を及ぼすヒトにとって「悪い」植物です。
茎や葉に生えた鋭いトゲは物理的な脅威となり、全草に含まれるソラニンは人間や家畜に対して激しい嘔吐、下痢、意識障害などの食中毒を引き起こす猛毒となります。
1906年に確認されて以来、驚異的な再生能力を持つ地下茎と種子によって日本全国へ分布を広げました。耕すと根の断片から増殖するという性質から、一度定着すると根絶が極めて困難であり、現在は「要注意外来生物」に指定され、警戒されています。
見た目の可憐な花やトマトに似た黄色い果実に惑わされず、素手で触れたり、決して口にしたりしないよう、正しい知識を持って接することが必要です。

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