食べ過ぎると幻覚を引き起こす!?よく食べる身近な調味料 ナツメグ

ナツメグの種と粉末 植物

ナツメグとは?

ナツメグと削り器

ナツメグは香辛料の一種でインドネシアのモルッカ諸島原産のナツメグの木(ニクズク)がつける果実の種を乾燥させたものです。
原産地のモルッカ諸島は、ナツメグの他にもクローブなどの貴重な香辛料が取れることから、昔はスパイス諸島、香辛諸島などと呼ばれていました。
ナツメグの木は東南アジアやオーストラリアに自生していますが、現在ではインドネシア、インド、グアテマラ、ネパール、スリランカ、シンガポール、ベトナムなど世界各地で栽培されています。
ナツメグの果実と種

ナツメグの果実と種

高さ15mほどになり、スモモや杏子に似た大きさ5cmの果実を付けます。この果実もインドネシアのデザートなどに活用されていますが、種子を乾燥させて砕くことで普段見慣れたナツメグになります。

ちなみに、種子の周りには赤い仮種皮がついていて、これを天日干しして乾燥させることでメースと呼ばれる香辛料になります。ナツメグよりも優しい香りで独特な苦みと辛みがあります。

ナツメグの効果

ナツメグの果実

食材の臭み消し

ナツメグは香辛料のため一緒に調理することで嬉しい効果があります。その一部を紹介します。

肉料理

ハンバーガーとポテト

ナツメグには肉の臭みを和らげる効果があります。特に臭いが気になることの多いひき肉を使うハンバーグなどとは相性抜群です。加熱すると香りが強くなるので、入れすぎてしまうとナツメグの香りが強くなりすぎることがあるので注意が必要です。
ハンバーグ以外にもコロッケ、メンチカツなどの料理とも相性がいいので試してみる価値ありです。

野菜・根菜料理

キッシュ

ナツメグには野菜の青臭さを軽減する効果があるため、野菜を使った料理に入れることでまた違った風味を楽しむことが出来ます。
ただし、サラダなどにそのまま振りかけるのではなく、加熱する料理に入れることで効果を発揮するのでキッシュや野菜スープに使うのがおすすめです。
またジャガイモを使うコロッケやポテトサラダに入れると効果を発揮するので、ジャガイモの臭いが気になる人は入れてみるとおいしく食べられるかもしれません。

乳製品を使った料理

クリームシチュー

乳製品特有の臭みを抑えることもできるため、ホワイトソースやクリームシチュー、ポタージュなどとの相性もいいです。
乳製品を使った料理にナツメグを少量入れることで普段とは違ったおいしさを楽しむことが出来ます。

ナツメグの効能

ナツメグ

胃腸を整えて消化促進

ナツメグには胃腸の調子を整える作用のある成分が含まれているため、適量摂取することで便秘やお腹の調子が悪い人の改善につながると言われています。
腸内環境が整うことで消化が促進されて、ご飯をおいしく食べることが出来るようになります。
また、胃腸の調子を整えるだけでなく食欲増進の効果があるとも言われているため、夏場や体調不良による食欲不振の時に改善がみられることもあります。

体を温める

スパイスの多くは温める効果がありますが、ナツメグも同じように体を温めて冷え性を改善する働きがあります。これは辛さ由来ではなく栄養分に含まれるビタミンB群による効果で、糖質や資質をエネルギーに素早く変換してくれます。
また、発汗作用のある成分も含まれていることから新陳代謝を良くする効果も期待できます。

口臭予防・改善

ナツメグの成分の中には殺菌、抗菌作用が含まれているため、口臭の原因になる雑菌の繁殖を抑える効果が期待できます。また、肉の臭いを消し去るほどの消臭効果があるため、口臭を抑えることに効果があるとも言われています。
ただし、後で紹介するようにナツメグを食べすぎてしまうのはものすごく危険なため、ご飯をおいしく食べられるような適量を摂取するようにしましょう。

食べすぎ注意!?ナツメグの毒性

ナッツを食べるリス
ナツメグは上述の通り、様々な効果も期待できる体に良い身近香辛料ですが、一方で食べすぎてしまうことで恐ろしい事故が起きてしまう可能性があります。
ナツメグには精神活性物質である「ミリスチシン」が多く含まれているため、食べ過ぎてしまうと中毒症状の動悸、嘔吐、痙攣、全身の痛みなどの症状が現れるだけでなく、抗精神作用があるため錯乱や幻覚症状が現れる事例が報告されています。
また、肝機能障害を引き起こすことも報告されているため、精神作用を求めて興味本位で試すような真似は絶対にやめましょう。一生後悔することになるかもしれません。
この効果はミリスチシンだけでなく他にもナツメグに含まれている様々な成分が作用していると考えられています。

食べると危険な量

ナツメグの中毒症状が現れる量は個人差もありますが5g程度(種1個分)と言われています。お肉1kgあたりの推奨量は0.2~0.5g程度なので、普通の使い方をしている分には大食いの人であっても5g程度を摂取する可能性は低いです。
ただし、臭みが気になる、ナツメグの香りが大好きな人は入れすぎてしまわないように注意しましょう。
中毒症状が現れる量は5g程度ですが、過去の事例では10g程度(種2個分)を食べてしまうと死亡してしまう事例も出ています。件数は少なく確認されている死亡例は2件のため1世紀(100年)に1人と言われている程度ですが、中毒事例自体は多数報告されているため注意が必要です。

妊娠中の過剰摂取は特に注意

ナツメグには子宮収縮を促す効果があるため、過剰摂取してしまうと流産や早産を起こす可能性があるため注意が必要です。
ナツメグだけでなくウコンやターメリック、シナモンなどのスパイスや、アロエにも同様の効果があるので過剰摂取は注意しましょう。

まとめ

ナツメグは身近にあるスパイスで胃腸の調子を整える、体を温める、口臭予防など様々な効果があります。お肉や野菜、乳製品に使うことで臭みも消せるためとっても役に立ちますが、一方で食べすぎると中毒症状が現れます。
中毒症状の中には幻覚作用などがあるため、中には遊び半分で過剰摂取してしまったという事例もありますが、肝障害を引き起こしたり、中には死亡事例もあるので過剰摂取は絶対にやめましょう。
通常の調理では1gも使用しませんが、5g程度で中毒症状が現れ、10g程度が致死量と言われているため普段の料理では特に気にする必要はありません。
ナツメグに限らず何事も適量を意識して食べるようにしましょう。

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