美味しいのに○○と一緒に食べると超危険な不思議な毒キノコ ホテイシメジ

ホテイシメジ きのこ

毒きのこには個性豊かで様々な有毒成分がありますが、今回紹介するホテイシメジも一味変わった有毒成分を持っています。

間違いやすく中毒事例の多いキノコについては以下の記事で詳しく紹介しています。

ホテイシメジとは?

成長したホテイシメジ
ホテイシメジはホテイシメジ属に属するキノコで、スーパーなどでは売られていませんが全国のキノコ狩りを楽しんでいる方々の間で食用として利用されています。
ただし、このキノコには有毒成分が含まれていて、身近にあり人によっては良く飲むものと一緒に食べてしまうと場合によっては命を脅かす存在です。

七福神の布袋様

ホテイシメジは漢字で書くと”布袋湿地”と書きますが、これは柄の下のふくらみを七福神の布袋様に見立てたことから名づけられています。

シメジを”湿地”と書きますが、これは湿った地に生えていることからこの漢字があてはめられました。また、群生することから”占地”とも書いたりします。
ホテイシメジの柄は高さ3~6cm程度で色は灰褐色で、傘の幅は3~10cm程度で色は灰色から褐色(ヒダは白かクリーム色)の中型のきのこです。

小さいホテイシメジと成長したホテイシメジ

小さいときはスーパーで売られているブナシメジのような形をしていますが、成長するにつれて内側に巻かれた傘の縁が広がっていっていきます。
最終的には傘の中心よりも縁の部分のほうが高くなり、横から見ると逆三角形(逆円錐形)のような形になります。
このような形になるキノコは他にも色々とあり、世にも恐ろしい毒キノコドクササコも同じような形になることがあります。

分布・生息地

気候帯
ホテイシメジは世界中の様々な場所に分布していて、その範囲は北半球の温帯以北で日本、ヨーロッパ各地、アメリカ、カナダなどが含まれています。

カラマツ【クリックで拡大】

主にカラマツ林を中心に針葉樹林の地面によく生えていて、群生している場合もあれば、ぽつぽつと散生している場合もあります。

また、広葉樹林には全く生えないというわけではなく生息を確認できることもあります。

栄養の取り方での分類では腐生菌として区分されていて、死んでしまった生物や排泄物などから栄養を取っています。(培地で完全培養できるという定義もあります。)
対して、他の植物や生物に寄生して栄養を確保するキノコは寄生菌と呼ばれています。

Photograph by Cassidy Best

食べ方

味はほとんどありませんが、ほんのりと甘い香りと歯ごたえのよい食感をしているため、様々な料理に広く活用されています。
主な食べ方を挙げると、味噌汁、炊き込みご飯、鍋、てんぷら、つくだ煮など普段の食卓でもなじみ深い和食によく合います。
また、和食だけでなくポタージュ、ピクルス、マリネ、グラタン、シチュー、オムレツなど様々な洋食にも使うことができ、世界中で食されています。さらには、中華スープや油炒め、あんかけなどの中華料理にも活用されています。

ホテイシメジの毒

ホテイシメジ
ホテイシメジには有毒成分が含まれていますが、ホテイシメジだけ食べたとしても体に悪影響を与えることはありません。
しかし、ホテイシメジを食べながらアルコールを摂取してしまうとホテイシメジに含まれる有毒成分が牙を剥き始め、30分から1時間ほどすると顔面紅潮、頭痛、めまい、吐き気、動悸などの症状が現れてこの世の終わりを思わせる気分の悪さが身体を襲います。
なぜこのような症状が現れるかというと、お酒が弱くなり有毒成分であるアセトアルデヒドの影響によって短時間で悪酔い、二日酔いの症状が現れるためです。
アルコールは酵素の力でアセトアルデヒドに分解され、その後別の酵素によっては酢酸になり、最終的に水と二酸化炭素になって排出されます。

アルコールの分解

これに対して、ホテイシメジに含まれる「(E)-8-オキソ-9-オクタデセン酸」や「共役エノン・共役ジエノン構造を含む脂肪酸」などの有毒成分が、アセトアルデヒドから酢酸に分解する酵素の働きを抑制してしまいます。
この毒性により例え酒豪の人でもお酒が飲めない人と同じような状況に陥るため、普段通り大量に飲酒してしまうと急性アルコール中毒のような状況に陥る危険性があります。
そのため、数十年前まではホテイシメジが市販されていましたが、現在では毒キノコとして取り扱われていて市販されることもなくなりました。
お酒の危険性については以下のページで詳しく紹介しています。

気を付けること

ホテイシメジと一緒に飲酒をしなければ大丈夫と考えるかもしれませんが、酵素の働きを妨げる有毒成分全体の濃度が高く効果は長く続く可能性があるため、もしも食べてしまったら1週間は禁酒が必要とされています。
現在は市販されていないキノコですが、キノコ狩りを楽しんでいる人は現在も取って食べていることも多く、たくさん取れた際には近所におすそ分けすることもあります。
過去には貰い物の毒キノコや毒草を食べて中毒を起こした事例もあるため、自分自身できちんと何のキノコか判断でき、危険性についても把握できていなければ食べるべきではないので注意が必要です。

似ているキノコ

似ているキノコをいくつか紹介していきます。

カヤタケ

Photograph by Strobilomyces

キシメジ科カヤタケ属に属するキノコで色や形など見た目が似ていて分布や生息環境も似ています。
食べることができ、おいしいと一部の人には人気がありますが、ムスカリンという有毒成分が検出されているため、食べ過ぎるとベニテングタケと同様の中毒症状が現れます。
地方によってはアケボノシメジサカヅキモタシなどの地方名で呼ばれることもあります。

ホテイダマシ

Photograph by Roberto Petruzzo

ホテイシメジに似ている食用キノコの中で、傘の肉が薄く柄が細くて中毒しないキノコの存在が確認されています。これをホテイダマシと呼んで区別しています。
日本には5,000種類近くものキノコがあると言われていますが、食べられるキノコは100種類程度とも言われているように正確な種類分けは難しいのが現状です。

まとめ

ホテイシメジは温帯以北の北半球の世界各地に生息しているキノコです。味はほぼないですが、ほのかな甘い香りと食感がよいため和食・洋食・中華など様々な料理に使われています。
そんな比較的身近なキノコですが、実は有毒成分が含まれているためアルコールと一緒に摂取すると30分~1時間程度で悪酔いや二日酔いの症状が現れます。
これは、アルコールを分解する酵素の働きを妨げる有毒成分が含まれているためで、どんなにお酒の強い人でもお酒が飲めない人と同じような状況になります。
昔は市販されていましたが、現在は危険性を知りながらキノコ狩りを楽しむ人だけが食べる毒キノコとなっています。

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