世界で最も人の命を奪っている猛毒ヘビの恐ろしい毒とは!?ブラックマンバ

ブラックマンバ 地上の生き物

ブラックマンバとは?

ブラックマンバ
ブラックマンバはコブラ科マンバ属に属する非常に強力な毒を持つ毒ヘビで、生息地域では非常に恐れられています。
全長は2~3mほどになり、中には4.5mと大きくなる個体もいるほど大きいため、コブラ科の中ではキングコブラに次いで2番目に大きいヘビとされています。
ブラックマンバの口の中

Photograph by Tad Arensmeier

ブラックマンバという名前から体色が真っ黒だと想像するかもしれませんが、実はブラックマンバの体色は灰色や褐色でイメージ程黒くはありません。なぜブラックマンバと呼ばれるかというと口の中が黒くなっていることが由来となっています。
馬より早く移動する、と言われることもありますが、実際の移動速度は16km/hほどと50m走に直すと11秒ほどの速さです。小学校低学年よりも少し遅いくらいの速さのため、走っている馬よりも早く移動することはありません。
また、気性が荒いとされていますが、何もしていない人間に対して積極的に攻撃するようなことはほとんどなく、攻撃性を示すときは自らの危険を感じたときがほとんどです。
食性は動物食で、小型の哺乳類や小型の鳥類などの動物を好んで捕食しますが、木登りも得意なため樹上の鳥の巣を襲うこともあると言われています。
ブラックマンバの捕食シーン

ブラックマンバの捕食シーン

ちなみに、近縁種にはグリーンマンバ(ニシ/ヒガシグリーンマンバ)がいますが、こちらは体色が緑色になっています。

グリーンマンバ

分布・生息地

サバンナ
アフリカ南部や東部のサバンナや岩山に主に生息していますが、草原や森林などでも見ることが出来ます。日向ぼっこするなど基本的には地表で生活していますが、木登りも得意なため木の上で休んでいる姿もよく目撃されています。
樹上のブラックマンバ
アフリカでは非常に恐れられていおり、世界で最も多くの人間の命を奪ったとも言われている存在ですが、実は特に生息数が多い地域と人の活動圏はあまり重ならないため被害の数は限られていて、他のヘビであるEchis ocellatus(カーペットバイパーの近縁種)やパフアダーのほうが犠牲者は多いとされています。

ブラックマンバの毒

ブラックマンバ
持っている毒は非常に強力な神経毒+心毒性があるため、もしも噛まれるとめまい、極度の疲労、視覚障害、麻痺、けいれんなどの症状が急速に現れます。
あらゆるヘビ毒の中でも特に即効性があるため、血清がない時代には噛まれてから20分ほどで死に至ると言われています。
その強さは半致死量(LD50)で示すと0.32mg/kgとなっており、国内の陸上ヘビで最強のヤマカガシで5.3mg/kg、マムシで16mg/kgというデータもあるため、国内の有毒ヘビと比べてもその毒性の強さが分かると思います。
用語解説
LD50(50%致死量、半致死量):Lethal Dose 50 ある一定の条件で動物にある物質(成分)を投与した場合に、動物の半数を死亡させる物質(成分)の量を示しています。LD50を使うことでその物質(成分)の毒性を比較することができます。一般的にはLD50 1500mg/kg以上の物質(成分)が安全とみなされています。
毒が強いだけでなく、体長が長いのに比例するように注入する毒の量が非常に多く一咬みで100~120mgもの毒液を注入するため、一咬みで成人8人の命を奪うほどの量を出すことになります。
さらに恐ろしいことに、噛みついたらほぼ確実に毒が注入される構造になっているため、ヤマカガシのように噛まれても毒を注入されないドライバイトが起きることがほとんどありません。

研究への活用

様々な有毒成分が含まれていますが、その中の一つであるデンドロトキシンはマンバ属の毒ヘビが生成する神経毒の一つです。
この有毒成分は特定の神経系に採用することで過剰興奮と痙攣症状を引き起こす可能性があると言われています。その一方で特異的に採用する効果を使って研究ツールとしてよく用いられているようです。
デンドロトキシンの構造図

デンドロトキシンの構造図

もしも噛まれたら?

注射器
もしも噛まれた場合はできる限り迅速に血清を打たなければ命に関わります。もしも噛まれてしまった場合は、慌てずにすぐに噛まれた場所よりも心臓に近い場所を縛るとともに血清を打つ準備をしましょう。
可能であれば吸引器を使い毒を吸い出しますが、致死量に対して注入量が多いため吸い出すことよりも血清を打つことを優先する必要があるようです。
ブラックマンバの生息地域に行くときには噛まれないように十分に注意しましょう。

まとめ

ブラックマンバはアフリカのサバンナを中心に生息している、世界で最も人の命を奪っていると言われていう毒ヘビです。
国内に生息している陸上のヘビよりも数倍~数十倍の強さを持つ毒を多量に注入し、場合によっては噛まれてから20分程度で命を落とすこともあるとされる恐ろしい存在です。
この恐ろしさから、格闘家の名前やバスケットボール選手の愛称として用いられることもあります。
実は、積極的に人を襲うというよりは身の危険を感じた時に襲ってくることが多いと言われています。ただし、害意がなくともブラックマンバが身の危険を感じることはあるので侮ってはいけません。

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