知ってるようで実は知らない!?お酒の怖さとメリット4選!禁酒による改善効果も紹介

ジョッキに注がれたビール 化学物質

お酒とは?

バーで出てくるウィスキーのロック

お酒はエタノールというアルコールの一種が含まれている飲料のことで、日本の酒税法上1%以上のアルコール (エタノール) が含まれている飲料は酒、 1%未満の飲料は清涼飲料水に分類されます。
そのため、酒粕からつくられた甘酒はアルコール1%未満と微量ながら含まれますが清涼飲料水に分類されるため、 アルコールに耐性のない人や妊婦、未成年などが飲むときには注意が必要です。ちなみに、米麹からつくられた甘酒はアルコールを含まないため安心して飲むことができ ます。
お酒に含まれるエタノール (別名:エチルアルコール)には比較的弱いながらも毒性があるため、短時間で多量に接種すると酔いの症状が現れ、度を超えて飲みすぎてしまうと急性アルコール中毒になり、最悪の場合には死に至る危険性があります。 また、 慢性的に多量の飲酒を続けるとアルコール依存症になるリスクもあります。
その一方で少量の飲酒であればリラックス効果など様々なメリットもあるため、自分の体質にあった範囲で節度ある適度な量を楽しむことは、 決して悪いことではないという見方が多いです。
今回はそんなお酒のメリット・デメリットに加えて、禁酒しようか迷っている人の後押しになる情報を紹介していきます

アルコールの種類と飲むと危険なアルコール

アルコールランプの写真

燃料用アルコールの主成分は毒性の強いのメタノール

アルコールはある化学物質の総称で、お酒に入っているエタノールや消毒用エタノール以外にも燃料用アルコールの主成分であるメタノール、ラジエーターの不凍液の主成分であるエチレングリコール、食品添加物などに利用されているグリセリンなどもアルコールの一種です。

エタノールの毒性については詳しくは後述しますが、他のアルコールと比べて比較的毒性は弱いとされています。その一方で燃料用アルコールの主成分として使われるメタノールは非常に毒性が強く、その毒性はエタノールの10倍以上とも言われています。
もしもメタノールを摂取してしまうと失明や臓器障害など重篤な症状を引き起こすことがわかっており、その危険性から「バクダン」と呼ばれたり、別名のメチルアルコールをもじって「目散るアルコール」とも呼ばれました。さらには前頭葉など脳の壊死によりパーキンソン病に似た症状を引き起こし、 摂取量が多い場合には命を落とす危険性もあります。
戦前など昔は酒税法を回避し安価にお酒を楽しむために飲んだために、30人以上もの死者を出す中毒事例もあります。 間違っても燃料用アルコールや消毒用アルコール(イソプロパノールなどエタノールよりも毒性の強いアルコールが含有されていることもある)は飲まないように注意しま しょう。
ここから「アルコール」はお酒に入っているエタノールの意味で記載していきます。

お酒を飲むことのメリット

ほろよいの缶で乾杯している男女
お酒を飲みすぎることなく適切な量を摂取することで様々なメリットがあります。

リラックス効果

こたつに入ってるネコと犬のイラスト

適量の飲酒はリラックス効果あり

適度な飲酒はリラックス効果とそれに伴うストレス解消が期待できます。ほろ酔いくらいであれば、お酒の効果によって理性を司る脳の機能が一時的に抑制されるため緊張がほぐれます。

試験や発表前など明らかな緊張ではなく、次の日の仕事を気にしたり、漠然とした不安感など日頃から密かに感じている緊張感の解放やストレスの発散に寄与します。

疲労回復

軽い飲酒は血管を拡張させて血行を良くする効果があるため、体を温めることができます。血行が良くなることに疲労を回復させる効果があると言われています。
また、そのほかにも血行が良くなることで新陳代謝がアップするだけでなく神経痛の軽減や肩こりの緩和も期待することができます。
飲みすぎると睡眠の質が悪くなるため、かえって疲労が溜まる可能性があるため、あくまで軽い飲酒という条件です。

コミュニケーションの円滑化

適度な飲酒は緊張感をほぐし陽気な気分にさせるためコミュニケーションの円滑化を図ることができます。目上の人や気になる異性など話すことに緊張感を覚えるような人たちとの会話のハードルも下がるため、お酒を飲んでない時よりもより積極的に話しかけることができるようになります。この効果を英語ではリキッド・カレージと呼ばれています。
ちなみに、お酒を飲むと異性に対する魅力が上がる、という説もありますが、研究の結果その効果は実証されませんでした。一方で魅力的な異性に対して積極的になることは確認されています。

食欲増進

満腹になった猫

食欲増進効果があるので食べすぎ注意

お酒には食欲増進の効果もあるので、夏バテなどであまり食欲が出ない時の手助けになります。お酒を飲むことで胃液の分泌が盛んになり消化を助ける働きがあります。

食欲増進の効果は人それぞれですが、中には食べすぎてしまうくらい食欲が増進する人もいるので食べすぎや飲みすぎしないように注意しましょう。
またお酒にもカロリーがあるのでダイエット中の人は注意しましょう。

節度ある適度な飲酒量とは?

純アルコール20gの目安量
上記で挙げたお酒によるメリットはいずれも節度ある適度な飲酒をした時のメリットです。具体的にどの程度の量が適度な量なのかは厚生労働省が一つの基準を示しています。
もちろん体質や年齢、性別、疾患の有無などにもよりますが、純アルコールで1日平均20gが適度な飲酒量の目安として示されています。女性や高齢者では20gの半分である10g程度が目安とされています。
主なお酒の純アルコール約20gの目安量は以下の通りです。
  • ビール(5%):500mL(中ビン1本)
  • ウィスキー(40%):60mL(ダブル1杯)
  • ワイン(12%):200mL(グラス2杯)
  • 日本酒(15%):160mL(1合弱)
  • 焼酎(25%):100mL(半合強)

純アルコール量計算機

飲んだお酒の量と度数を入力すると純アルコール量を計算できる計算機をつくってみました。スマホにも対応しています。純アルコールの量から適量かどうかも判断できます。※個人差があるのであくまで参考です。
飲んだ量とアルコール度数から純アルコール量(g)を出せる計算機
...

お酒の危険性

ビンとフードを被った人の後ろ姿
2022年時点で全世界のアルコールの過剰摂取による死者数は毎年300万人にもなり、これは全体の5.3%にもなると発表されています。特に、20~39歳の若い人の死者数のうち13.5%はアルコールに起因するとも報告されており、アルコールの危険性がよくわかると思います。
アルコールのJカーブ

出典:公益社団法人アルコール健康医学協会

さらに、少し前までは「少し飲む人」の方が「全く飲まない人」より寿命が長くなるいわゆるJカーブとなっていると言われていましたが、近年の研究で「全く飲まない人」には禁酒しなければならない状態の人が含まれていることなどが分かり改めてデータが見直されました。
GBD 2016 Alcohol Collaborators[2018]の研究結果

1=純アルコール10g
出典:GBD 2016 Alcohol Collaborators[2018]

その結果、飲めば飲むほど寿命が短くなるという研究結果も出てきました。これは、お酒を飲むことで一部の病気のリスクは下がりますが、他の病気のリスクがあがることでむしろマイナスと評価されています。

未成年飲酒の危険性

学校の教室

未成年飲酒には身体的にも精神的にも悪影響があるため、絶対に飲んではいけませんし、飲ませてもいけません。

身体的影響

脳細胞が破壊され脳委縮が起きる(脳が縮んでしまう)リスクがあります。また、二次性徴を遅らせ性に関する様々な障害を引き起こす可能性があります。男子では勃起不全、女子では生理不順や無月経になるなどの影響があります。

精神的影響

アルコール依存症になりやすくなります。中年男性がアルコール依存症になるまでには数年~十数年単位と長い期間がかかることが多いですが、未成年の場合は数か月~2年程度でアルコール依存症を発症する可能性があります。

社会性への影響

理性が働かなくなるため、暴力行為や性的非行を行う危険性が高くなると言われています。また、若い人はアルコールに関連する死亡率が高く、飲酒時の不慮の事故も多いとされています。また、社会に適応できなくなったり金銭トラブルを起こす可能性が高くなると言われています。

短時間における多量飲酒の危険性(毒性)

棚に並べられたお酒の瓶

アルコールを摂取するとすぐに胃と腸から吸収されてすぐに肝臓にある酵素の力で分解が始まります。分解の速さは人それぞれですが、短時間でアルコールをたくさん摂取してしまうと分解が間に合わずに血液中にアルコールが溶け込み、血中アルコール濃度が高くなります。
中枢神経

身体の神経系

血中アルコール濃度が高くなると酔いの症状が現れ、気分の高揚や理性が働きにくくなり、怒りやすくなったり泣きやすくなったりといった症状が現れ、運動機能と認知機能が低下しふらつきなどの歩行障害、注意力の低下などが起きます。

さらに飲み続けると嘔吐や意識障害が発生し、度を超えて飲みすぎると急性アルコール中毒により中枢神経が麻痺してしまい、呼吸停止や心肺停止、昏睡中の嘔吐による窒息などで死に至る可能性があります。
血中アルコール濃度と酔いの症状の関係は以下の通りです。
血中アルコール濃度と症状

血中アルコール濃度と症状の関係

血中アルコール濃度と酔いの症状はお酒の強い人・弱い人に関係なく、ある一定の相関があります。お酒に強い人は分解が早いので血中アルコール濃度が上がりにくいということを示しています。体が大きい人(体液量の多い人)のほうが同じ量のアルコールが血液に溶け込んだ時の濃度が低くなるので、少しは酔いにくい傾向にあります。
お酒に弱い人の国別の割合

お酒に弱い人の国別の割合
出典:https://www.asahibeer.co.jp/csr/tekisei/kids/library/page07.html

ちなみに、日本人は遺伝的にお酒が強くない人が多いことが分かっていて、約45%の人はお酒に弱く、10人に1人は体質的に全く飲めないと言われています。
それから泥酔状態になるまで飲んだ次の日には二日酔いになる可能性があります。二日酔いの原因ははっきりとは解明されていませんが、アルコールが体内で分解されると生成されるホルムアルデヒドが原因の一つと考えられています。その他複合的な要因で二日酔いが引き起こされると考えられていますが、水分をしっかり摂取することで二日酔いの症状を軽減できることがわかっています。
こんな風に聞くとたくさん飲もうなんて思わないと思いますが、飲み始めると理性が働かなくなってきて飲みすぎてしまうことがよくあります。

致死量

エタノールの構造図

エタノールの構造図

30分以内に純アルコールを250mL飲むと命の危険があると言われています。これは、アルコール度数40%のウィスキーだと625mL、度数15%のワインや日本酒だと1,650mLくらいになりますが、現実問題この短時間でこれだけの量のアルコールを摂取することは難しいです。

ただし、一気飲みなど周りに煽られることで危険量を摂取してしまう可能性もあるので、無理をしない/させないことが非常に重要です。
アルコール(エタノール)単体の致死量としてはヒトに対して6~10mL/kgとされています。ここで示した量はアルコールによって直接的に命に関わる量を示していますが、泥酔状態や昏睡状態になってしまうと別の要因で死に至る危険性もあります。
実際にあった事故事例としては、以下のようなものがあります。
  • 駅のホームから落下してしまい電車に轢かれる
  • ふらついた際に道路に飛び出して車に轢かれる
  • 冬の寒い季節に路上で眠ってしまう など

慢性的な飲酒の危険性(依存性)

お酒を抱えて寝ている人

短期的にお酒をたくさん飲むと酔いや急性アルコール中毒を引き起こすことはわかったと思いますが、慢性的にアルコールを摂取することでも非常に恐ろしい事態に陥ります。
依存性物質の有害さランキング

出典:https://alhonet.jp/background.html

実はアルコールは依存性物質の有害性ランキングで各種麻薬を抑えて1位になっています。本人への有害性もある程度評価されていますが、他人への有害性が非常に大きく評価されています。アルコール依存症になると家族や友人、仕事関係に迷惑をかけるとともに、飲酒運転による重大事故を起こす可能性が出たり、周囲の人間に攻撃的になるなど人格が変わる場合もあり影響度が大きいと評価されています。

また、依存症予備軍は日本に数百万人いるとされており、そのうち9割の人は依存症だという自覚症状はないとも言われています。さらに、生涯においてアルコールを摂取したことがある人の22.7%は軽度でも依存症になるという報告もあります。

精神的な依存

いらすとやのお酒を飲みたい人

精神的に依存すると飲みたくて堪らなくなる

お酒を飲むことのメリットで紹介したように楽しい気分になったり、不安や緊張、ストレスから解放されることが癖になり、徐々に酔っている状態を求めるようになってしまうことで精神的に依存し始めます。

習慣的にお酒をたくさん飲むようになるとアルコール分解酵素の動きが活発になるため、同じ量でも全然酔えなくなってきます。つまり、飲めば飲むほどお酒に強くなってしまうので思うように酔えなくなってきてしまいます。
そのため、酔うためにお酒の量が増えたり、アルコール度数の高いお酒に手を出していくことになります。こうなると精神的にアルコールに依存している状態になっているため、飲みたいと強く思ったり、不安に駆られたりするため、さらに飲むという悪循環になります。
ちなみに、飲めば強くなるというのはお酒を相当量慢性的に飲むことが必要になりますし、強くなり方は個人差もあるため、「飲めば強くなる」と言って飲ませるアルコールハラスメントは絶対にやめましょう。

身体的な依存

いらすとやのアルコール依存症の人

震えなどの離脱症状が現れるようになる

精神的に依存し慢性的にお酒を飲んでいる状態から急にお酒の量を減らしたりやめたりすると、不安感、震え、頻脈などの離脱症状が現れ、さらに重い場合には、幻覚、幻聴、せん妄など命に関わるような離脱症状が現れるようになります。

こうなってしまうと精神的にも身体的にもアルコールに依存していて自分の意志では飲酒量をコントロールできない状態になっているので、仕事中だろうが車の運転が控えてようが構わずにこっそりと隠れながら飲酒するようになります。
ただし、隠れながら飲んでいる状態では依存症であることに対して否定的な態度をとることもあるので周囲の人を味方につけ、専門医に相談しながら対応していく必要があります。
また、アルコール依存症になるとお酒を中心とした食生活となってしまうことで、飲酒による様々な健康被害に加えて栄養失調による更なる被害拡大を招くことも多くあります。

アルコール依存症になりやすい人

アルコール度数の高い缶酎ハイ

お酒を飲む年齢が早かった人

お酒を飲み始める年齢が早ければ早いほどアルコール依存症になりやすいということが知られています。飲み始めが1年遅くなるとアルコールの問題を起こす可能性が4~5%下がるともいわれています。(ただし、若い方が社会的責任が比較的小さく、問題行動を起こした時のリスクが小さいことも関係しているかもしれません)

胎児期に母親が飲酒していた人

妊娠中に飲んでいる女性

妊娠中の飲酒はやめましょう

妊娠中の母親が飲酒をしてしまうと、生まれた子供は思春期や成人後にうつ病や不安感が現れやすく、攻撃的な性格になる危険性があります。

また、アルコールのみならず薬物などの依存性物質による問題を起こしやすくなる危険性が高まります。

飲むと運動機能が低下するため転倒の危険もありますし、認知機能の低下により注意力が散漫にもなるため妊娠中は控えなければいけません。

女性

女性の方が男性よりも習慣的に飲酒をし始めてから依存症になるまでの期間が短いことが分かっています。中には性別は関係ないという意見もあるようですが、同じ量でも女性の方が血中アルコール濃度が上がりやすく酔っぱらいやすいこと、飲酒による肝障害や心の病などになりやすく、依存症などの飲酒による影響が露見しやすいことも依存症になりやすいと言われる要因と考えられています。

親がアルコール依存症の人

親がアルコール依存症の人はそうでない人の4倍依存症になりやすいとされています。なんとアルコール依存症の約半分は遺伝が原因だとする研究結果があります。
お酒の強さは生まれつき(遺伝)ある程度は決まっています。その中でもお酒を飲むと顔が赤くなったり動悸がしたりとお酒を飲むことで不快な反応を示す人はアルコール依存症になりにくいと言われています。一方でお酒に強い人はどんどん飲めてしまうので依存症になれてしまう素質があります。
また、親が依存症の人は飲酒に対するハードルが低くなるため、①で説明した若い時から飲めてしまう環境に晒されることになり、遺伝による要因と環境による要因の相互作用により、アルコール依存症になるリスクが高まります。

精神疾患を患っている人

うつ病、不安障害、注意欠陥多動性障害などの精神疾患を患っている人はアルコール依存症になる可能性を高めることが知られています。これは、お酒を飲むことのメリットでも紹介したように緊張感や不安感を抑えるために飲酒に走ってしまうためと考えられています。
ただし、飲酒はかえってうつ病の治りを遅くさせたり、場合によっては悪化させる危険性があるので注意が必要です。

お酒と因果関係のある病気

飲酒と因果関係があるとされる病気の例

飲酒と因果関係があるとされる病気の例
出典:https://gen-shu.jp/risks-associated-with-alcohol/

習慣的に大量のお酒を飲み続けると腸や肝臓などの消化器官だけでなく、心臓や脳など全身に影響を与えると考えられていて、200種類以上の病気に関連しているという報告もあります。
主な疾患は脂肪肝、肝炎、肝硬変などの肝疾患、胃炎、膵炎、高血圧、不整脈、心筋症など多岐にわたります。

1ヶ月禁酒することのメリット

山の上で両手を広げる男性の後ろ姿

3日後の効果

座布団の上で寝るネコ

禁酒すると睡眠の質が改善する

禁酒して3日後には睡眠の質が改善し始めます。お酒を飲むと寝つきが良くなるということから寝るためにお酒を飲む人もいますが、これはむしろ逆効果で睡眠の質は悪くなります。

これは、アルコール分解後の成分であるアセトアルデヒドの覚醒作用によって入眠してか2,3時間後に脳が起きてしまい浅い睡眠(レム睡眠)が増えてしまうことで睡眠の質が低下します。
禁酒すると3日ほどで覚醒作用の効果がなくなり、正常なリズムでレム睡眠とノンレム睡眠が繰り返されるようになるため睡眠の質が改善されます。
ただし、離脱症状が出るくらい依存してる人は5日くらいかかる場合もあるようです。

1週間後の効果

禁酒から1週間後、肝臓が休まることで正常に働くようになるため食べたものを効率よくエネルギーにすることができるようになります。結果として内臓脂肪の燃焼、食べたものの効率のいい消化吸収ができるようになります。
飲酒によって肝臓が疲れてしまうときちんと分解できずに脂肪として内臓に蓄積しやすくなるため、脂肪肝などになりやすくなりますが、禁酒から1週間くらいで肝臓脂肪が徐々に消費され始めます。
肝臓は臓器の中でもかなり回復が早いと言われており、肝臓の70%が切除されても3~6か月程度で元の重量に戻り機能も元通りになると言われています。そのため禁酒による効果が出やすい臓器と言えます。
さらに、離脱症状が出る人は重症度にもよりますが、1週間~10日ほどで徐々に飲みたくて仕方がないという気持ちが落ち着き始めます。

2~3週間後の効果

元気な肝臓のイラスト

肝臓の回復は非常に早い

禁酒から2,3週間経つと脳も肝臓も休まって疲労が溜まりにくくなってくると言われています。また、血液検査で肝臓の状況を判断するための一つの指標「γ-GTP」の値が半減します。

γ-GTPは肝臓の解毒作用に関与する酵素で、アルコールにより肝臓がダメージを受けると血液中のγ-GTPの値が上がります。回復が早い肝臓ですがγ-GTPが半減するには2,3週間くらいかかるため健康診断でいい結果を得るために直前に禁酒してもあまり効果はありません。

1ヶ月後の効果

禁酒から1ヶ月経つ頃には肝臓脂肪が15%減少し、体重も2%減ったという人もいるくらい顕著に効果が現れます。さらに、お酒の利尿作用による脱水状態が改善されるため、肌に張りが出て美肌効果を実感できます。
さらに、禁酒をやめて飲酒を再開した際の飲酒量が大きく減り、飲むことへの罪悪感が出てくる場合もあります。
飲酒を再開する際にはリバウンドしないように細心の注意を払う必要があります。

まとめ

お酒に含まれるアルコール(エタノール)は世界的にも歴史的にも我々に身近な嗜好品であり、毒でもあります。年末年始やイベントの時にはどうしても羽目を外して飲みすぎてしまうこともあると思いますが、飲み過ぎないように十分注意しましょう。
短期的には急性アルコール中毒、長期的にはアルコール依存症になるという恐ろしい毒性がありますが、適切な量であればリラックス効果などもあるので、今回紹介したお酒の危険性を十分に理解したうえで節度ある適度な量を楽しむようにしましょう。

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